おそらくは、京都人の本音は見えにくい、言葉通りに受け取ったら恥をかく、という考えから生まれた神話だろうが、実態とはやや懸け離れている。では実際に、早く帰って欲しい来客に京都人はどう対処するのか。親しさの度合いにもよるのだろうが、言葉遣いこそ柔らかいものの、単刀直入に、そろそろお引き取りいただきたいという意思表示をすることも少なくない。或いはうちの祖母がそうだったように、出掛けるふりをする、というのも多いようだ。
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玄関先での立ち話。意外に長引いてしまい、予定が狂ってしまった。そろそろ帰って欲しいのだが……。「あ。えらいこっちゃ。うっかりしてたわ。○○さんとこ行かんならんかったんや。お話が楽しいさかい、忘れてしもてましたがな。ちょっと支度しまっさかい、待ってとおくれやすか。そこまでご一緒しまひょか」。「いやあ、えらいすんまへんなあ。長居してしもてからに。ゆっくりお支度も出来まへんどしたなあ。おいとましまっさかい、どうぞよろしゅうに。ほんまにすんまへんどしたなあ。ほなまた」となって、一件落着。