新しい自転車を手にした日、ちょっと散歩くらいのつもりで出かけたら、面白くてどんどん先へ行ってしまった。気づいたら、もう隣の町、それでもまだ足りなくて、駅3つ分くらい遠くまで出かけて、帰り道で日が暮れてしまったなんて経験、きっと誰にでもあるのではいだろうか。私自身も、30代で自転車を再開したときがまさにそんな感じだったのだ。かように自転車で遊べるフィールドは、特別なものではない。それは、そこにある道、道路なのだ。
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もちろん閉鎖された特別なコースを使うダウンヒルや、トラック競技という例外的なジャンルもあるけれど、こと、自転車でいろんな風物を見て回る、という領域に関しては、道や道路がそのまま活動のフィールドになるのだ。まあそれは見方にもよるのであって、どこの道路でも良いというわけにはいかず、トラックが行き交う国道などはやはり避けたいし、都市部の過密な交通、狭隆な道路状況も困るのだけれども、大局的には、多くの道路で、少なくとも自転車には乗ることができるということだ。カヌーも素晴らしいアウトドアスポーツだが、特に恵まれた環境にでも居住していない限り、家の前の水路から「んじゃ行ってくるよ。夕食には戻るから」と漕ぎ出すわけにはいかないのである。同様に高層マンションの自宅ベランダから、パラグライダーで飛び出すわけにもいかない。「いやーまいったまいった、GPS忘れちゃってさ」なんて言って戻ってこられても、皆困るのだ。しかし自転車には、ほぼそれらに近いことができる。玄関を出れば、マンションやアパートの敷地を後にすれば、そこからがもう活動できるフィールドなのだ。当然、より走りやい環境や遠くのフィールドに出かけるために、パッキングして公共交通機関に乗せたり、四輪車で運ぶこともありうるのだが、基本としては、ドアの外から活動を始めることができる。そこに道がある限り。それは、ある意味、サイクリングが日常の延長にあるということかもしれない。