車掌と同じく通して乗った私は、旭川で降りる際、なんとなく後ろ髪を引かれるような一抹の寂しさを覚えたものである。まあ、小樽から四時間半も同じ座席を温めていれば、それは自分の家みたいな感覚となって、愛着も湧いてくるだろう。途中の駅で、あまりにも特急に抜かれるので、一時は世捨て人の気分さえもしてきたけれど、それも後半は慣れたというか、居直ったというか、どうしてみんな、あんなにも急いで行くのだろうかと、逆に思えるようになったから不思議なものである。日本はちょっと忙しすぎる。このように足の長い(長距離を走る)鈍行列車にとことん付き合って、その素顔に接したり、世捨て人の気分になったりするのも、一興といえる。むろん、それ相当の忍耐力が必要となる。が、乗れば忍耐力も鍛えられよう。
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